コーヒー豆はその風味と香りが美味しさを左右する、とてもデリケートな食品です。
保存方法次第では、ごく短期間で風味や香りが損なわれることもあります。
しかし、適切な方法で保存すれば、コーヒー豆の劣化を防ぎ、美味しさを長期間保つことができます。
今回の記事では、コーヒー豆の保存方法についてわかりやすく解説します。
コーヒー豆が劣化する原因
コーヒー豆が劣化する原因は、主に以下の3つです。
- 1. 酸化による劣化
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コーヒー豆に含まれるオイルが酸化することで、コーヒーの風味や香りが失われます。時間の経過とともに自然酸化しますが、空気中の酸素に触れるとより酸化が加速します。
- 2. 湿気による劣化
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コーヒー豆は湿気も大敵です。湿気が多い環境では水分を吸収し、せっかくの風味が損なわれます。
- 3. 高温による劣化
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また、温度によっても風味や香りが損なわれてしまいます。コーヒー豆は高温に弱く、熱によってオイルが蒸発してしまうためです。
コーヒー豆の保存期間
コーヒー豆の保存期間は、焙煎日から起算して概ね1ヶ月程度と言われています。
ただし、焙煎方法や包装の仕方によっては、未開封で1年程度保管できる場合もあります。
とくに開封後の豆は、このあと説明する適切な保存を心掛け、なるべく早めに使い切るようにしましょう。
コーヒー豆の適切な保存方法
コーヒー豆を美味しく保つためには、以下の3つのポイントに注意して保存するようにしてください。
- 密閉容器で保存する
- 冷暗所で保存する
- 必要に応じ冷凍保存する
それぞれのポイントについて、詳しく説明します。
密閉容器で保存する
空気に触れないようにするため、専用の密閉容器に入れて保存しましょう。もし用意できない場合は、真空パックを利用するのもいいでしょう。
真空パックで保存する場合は、数杯分の量で小分けにして保存するのが理想的です。
酸素や湿気が入り込まないようにすることがポイントです。
なお、保存容器は材質の違いなどでさまざまな種類がありますが、詳しくは次の章で解説します。
冷暗所で保存する
常温保存の場合は、15℃〜25℃程度の冷暗所が適しています。湿度は50%〜70%くらいを目安にするといいでしょう。
湿度が高いと、発酵やカビの発生にもつながります。
冷蔵庫での保存も可能ですが、湿気がこもりやすいので湿度管理はこまめに行うようにしてください。
また、直射日光があたる場所や、熱源の近くなどは避けるようにしましょう。
以上がコーヒー豆を美味しく保つため3つのポイントですが、鮮度を保つためにも買い置きを避け、適量を購入するようにしてください。
必要に応じ冷凍保存する
コーヒー豆は常温保存するのが理想的ですが、どうしても飲み切れない場合は冷凍保存しておきましょう。
ただし、保存の仕方が良くないと、豆に含まれる水分が凍結したり、常温に戻す際に結露が生じる場合もあります。
冷凍する場合は、数杯分の量を小分けにし、真空パックを二重にして保存するなど、とくに品質劣化には注意するようにしましょう。
おすすめの保存容器
コーヒーの保存容器は、材質の違いなどでさまざまな種類がありますが、代表的なものをいくつか紹介します。
材質 | 特徴と注意点 |
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ガラス | 透明なガラス容器は、豆の保存状態を視覚的に確認することができます。密封性が高く、風味を保つことができます。ただし、ガラス容器は割れやすいため、取り扱いには注意が必要です。 |
陶器 | 陶器は保温性に優れているため、豆の新鮮さを保つことができます。また、豆に不要な湿気を取り除く効果もあります。 |
金属 | 金属容器は密封性が高く、軽量で取り扱いやすいため、便利な容器として人気があります。ただし、豆の酸化を促進する可能性があるため、内側に薄いビニール袋や紙袋を使用することが望ましいです。 |
プラスチック | プラスチックは軽量で取り扱いやすく、割れにくいのが特徴です。一方で密封性は低く、豆の風味を損なう可能性があります。 |
それぞれ一長一短があるので、どれが一番いいかは明言できませんが、個人的には、密封性が高く豆の残量や状態が一目で確認できるガラス容器をおすすめします。
中でも空気をシャットアウトし、真空状態にできる真空保存容器は、理想的な保存容器といえます。
ポンプする手間もなく、ボタンを押すだけで真空状態になるのでとても便利です。
容量の種類も豊富なので、スタイルにあった選び方ができます。
鮮度にこだわる方には、まさにおすすめの一台です。
まとめ
コーヒー豆は、正しい保存方法を守ることで美味しさを長期間保つことができます。
密閉容器や真空パックに入れて、直射日光や高温・多湿の環境を避け、冷暗所で保存することが何より大切です。
コーヒー豆は野菜同様生きものなので、新鮮さが命です。
適切な保存を心がけ、できるだけ新鮮なうちに消費するようにしましょう。