ハンドドリップコーヒーの必須アイテムといえば、コーヒードリッパーです。
各メーカーからさまざまなものが販売されていますが、いまいち違いがわからないという方も多いと思います。
今回の記事では、コーヒードリッパーの種類や特徴をはじめ、国内で販売されている主要4メーカーの売れ筋商品も徹底チェックしたいと思います。
各メーカー毎においしいコーヒーの理想像が少しずつ異なるため、どれが一番というものではありませんが、それぞれの個性を知り、その日の気分で使い分けてみるのもいいと思います。
コーヒードリッパーの購入を検討している方や、自分好みのコーヒーを探究している方は、是非ご覧ください。
コーヒードリッパーの役割
コーヒードリッパーは、コーヒー粉にお湯を注ぐことでコーヒー成分を抽出するための道具です。
コーヒーの雑味を取り除き、コーヒーの旨みだけを抽出する役割を担っています。
お湯の注ぎ方や注湯量をコントロールすることで、コーヒーの味わいを調整することもできます。
コーヒードリッパーの種類
一般的に、コーヒードリッパーといえばペーパードリップのことを指します。
紙を使うペーパードリップ以外にも、布を使ったネルドリップや、フィルターを使わないノンフィルタードリップもあります。
今回は、一般的なペーパードリップに絞って解説します。
ペーパードリップ用のドリッパーには、材質や形状などの違いによってさまざまな種類があります。
材質の種類
コーヒードリッパーの材質の種類と特徴は、以下のとおりです。
- 1. プラスチック製
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プラスチック製のコーヒードリッパーは軽くて割れにくく、耐久性があります。
価格も比較的安価で、手軽に入手することができます。
一方、耐熱性が低く、高温のお湯を使うと変形することもあります。
メリット デメリット 耐久性がある
値段が安い
扱いやすい耐熱性が低い - 2. ガラス製
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ガラス製のコーヒードリッパーは耐熱性が高く、安定した抽出ができます。
ただし、割れやすいため、取り扱いには注意が必要です。
メリット デメリット 耐熱性がある
温度変化に強い割れやすい - 3. 金属製
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金属製のコーヒードリッパーは耐久性があり、長期間使用することができます。
また、高温にも強く、お湯の温度変化が抑えられるため、豆のエキスをしっかりと抽出できるという利点があります。
ただし、金属はプラスチックやガラスに比べて重く、価格も高めの傾向があります。
メリット デメリット 耐久性がある
高音に強い
熱伝導性が高い値段が高め
比較的重い - 4. 陶器製
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陶器製のドリッパーは、熱伝導性が低いため、豆からのエキスをしっかりと抽出することができます。
また、デザイン性に優れ、美しい見た目が特徴的です。
一方で、陶器製品は割れやすく、重くなることがあるため、取り扱いや保管には注意が必要です。
また、耐熱性にも限界があるため、ひび割れが生じることがあります。
ただし、定期的な手入れによって長期間使うことができます。
メリット デメリット デザイン性に優れている
長期使用が可能割れやすい
耐熱性が低い
形状の種類
コーヒードリッパーはその形状の違いから、大きく分けて3タイプあります。
- 1. 円すい型
円すい型は、お湯を1点に集めながらドリップするタイプで、抽出穴が大きめに作られています。抽出時間は比較的長めですが、より濃厚な味になりやすい傾向があります。
一方で、お湯の量や注湯速度を一定にしないと、安定した味になりにくいという面もあります。
- 2. 台形型
台形型は、底に複数の抽出穴があるのが特徴で、コーヒー液を一旦底に溜めてから抽出します。抽出時間が短かめで、やや軽めの味わいに仕上がるのが特徴です。
一方で、フィルターの厚みが薄いため、豆のオイル分や微粉末も抽出されやすいという面もあります。
注湯速度で味が左右されにくいので、初心者にもおすすめのタイプです。
- 3. フラットボトム型
フラットボトム型は、底が平らな形状をしています。フィルターの底面全体に均等にお湯が行き渡りやすいため、コーヒーのエキスを均等に抽出することができます。
台形型同様、抽出速度は早めで、マイルドな味に仕上がるのが特徴です。
リブの有無
リブとは、ドリッパーの内側にある溝の部分のことです。
縦に真っ直ぐ入ったものや、螺旋したものなどがあり、リブがないものもあります。
リブは、ペーパーフィルターがドリッパーに密着するのを防いでくれるので、ドリッパー自体の温度が保たれやすく、コーヒーの温度が保たれる効果もあります。
また、ガスを逃す効果もあります。
リブがあることで、お湯がまんべんなく行き渡るので、豆からのエキスをより均等に抽出することができます。
また、リブがないドリッパーに比べ、フィルターとドリッパーの接触面積が少ないため、ドリッパー自体の温度が保たれやすく、コーヒーの温度が保たれる効果もあります。
主要4メーカーの売れ筋商品の特徴
国内でも購入できる代表的なドリッパーとして、ハリオ、カリタ、メリタ、コーノの4つがあります。
これら以外にも、三洋産業やキーコーヒーなどの個性的なドリッパーもありますが、まずは上記4つの主要メーカーは押さえておくべきでしょう。
これら4つ主要メーカーは、その特徴からハリオ式、カリタ式、メリタ式、コーノ式とも呼ばれ、ハンドドリップの方式の名前としても知られています。
ここではその4大メーカーのドリッパーの特徴と、売れ筋商品を紹介します。
HARIO(ハリオ)
ハリオといえば、円すい型の1つ穴の構造が特徴です。
コーヒー粉に注いだお湯が円すいの頂点に向かって流れるので、豆の旨味をしっかりと抽出できます。
中でも主力商品のV60ドリッパーは、異なる口径と深さを持つ製品が揃っており、豆の種類や抽出量に合わせたカスタマイズが可能となっています。
売れ筋商品 (V60透過ドリッパー)の特徴
- 世界で認められているV60ドリッパーのひとつで、珈琲の層が深く、珈琲粉に注いだお湯が円すいの頂点に向かって流れるので豆の旨味をしっかりと抽出できます。
- 螺旋状のリブでペーパーフィルターを浮かせ、ふっくらと全面からろ過します。
- 大きな一つ穴なので、お湯を注ぐ速度によってコーヒーの味を変えられるため、好みのコーヒーが楽しめます。
品番 | VD-02T |
材質 | AS樹脂(プラスチック) |
形状 | 円すい型 |
穴の数 | 1個 |
リブ | あり(上下螺旋) |
kalita(カリタ)
カリタ式のドリッパーは、3つ穴の構造が特徴で、台形型やフラットボトム型のものがあります。
抽出速度が早く、スッキリとした味わいが特徴です。
3つの凹凸が施された独自のデザインにより、コーヒーの粉の膨らみや水の流れをコントロールし、均等かつ効率的な抽出ができます。
売れ筋商品 (ウェーブシリーズ)の特徴
- 高品質なステンレススチールの素材を使用しており、耐久性が高く、長期間の使用にも耐えられます。
- カリタ式の3つ穴で、長時間フィルターとウェーブゾーンにコーヒー液がとどまらず、雑味成分の抽出が少なく美味しさだけをドリップできます。
- 専用のウェーブフィルターを使用することで、お湯の偏りがなく、すみやかにドリップすることができます。
品番 | #05033 |
材質 | ステンレス |
形状 | フラットボトム型 |
穴の数 | 3個 |
リブ | あり(横円形) |
Melitta(メリタ)
メリタのドリッパーは、高い位置にある1つ穴の構造が特徴です。
高品質なポリプロピレンやセラミックなど、耐久性のある素材を使用しており、長期間の使用にも耐えうる製品です。
メリタ製のコーヒーペーパーを使用することで、コーヒーの油脂分や微粉末を取り除くことができ、クリアできれいな味わいのコーヒーを楽しめます。
売れ筋商品 (アロマフィルターシリーズ)の特徴
- 一度に給湯できるので、何回かに分けてお湯を注ぐ必要がないのが特徴です。
- 一定の速度で抽出されるため、ドリップの技術に大きく左右されることなく、安定した味わいのコーヒーを淹れることができます。
- フィルターに杯数目盛りがついているので、正確な量がの抽出できます。
品番 | AF-M 1×2 |
材質 | AS樹脂(プラスチック) |
形状 | 台形型 |
穴の数 | 1個 |
リブ | あり(縦直線) |
KONO(コーノ)
円すい型ドリッパーの元祖といわれ、円すい型で大きめの1つ穴の構造が特徴です。
内側のリブが短く、上部がフラットになっており、濃厚なコーヒー成分が抽出できるのも特徴です。
売れ筋商品 (クラシックシリーズ)の特徴
- コーノ式の特徴である大きな1ヶ穴の円錐形フィルターを採用し、ネルドリップに近い味わいを再現。
- 他のフィルターに比べ穴が大きく、独特の溝のラインにより抽出スピードをコントロール可能。
- 独自のリブがエグみや雑味を吸着してくれるため、コクがありクリアな味わいで抽出することができます。
品番 | MD-41 |
材質 | プラスチック |
形状 | 円すい型 |
穴の数 | 1個 |
リブ | あり(下部のみ) |
コーヒードリッパーの選び方
ここまでの内容を踏まえ、コーヒードリッパーを選ぶコツを整理してみます。
最適なコーヒードリッパーは、淹れる人の考え方や何を優先するのかによってそれぞれですが、コーヒーを始めてまもない人や、味が安定しない場合は、メリタのドリッパーを選ぶといいと思います。
お湯の注ぎ方が味に直接影響しにくいため、安定した味わいのコーヒーを抽出することができます。
とくに初心者の方は、取り扱いが容易なプラスチック製かステンレス製がおすすめです。
また、豆本来の個性的な味わいを楽しみたいという方は、ハリオやカリタがおすすめです。
豆量や注湯速度をコントロールすることで、豆本来の味わいを引き出しつつ、より自分好みの味わいを楽しむことができます。
さらに本格的で個性的な味わいを楽しみたい方は、陶器やガラスの材質も選択肢に入れながら、コーノ式で入れてみるのもいいのではないでしょうか。
まとめ
コーヒードリッパーはとてもシンプルな道具ですが、コーヒーの味わいを左右する重要なアイテムです。
最初はひとつでも構いませんが、複数のドリッパーを使い分けることで、あえて違った味わいを楽しんでみるのもいいと思います。
そのためにも、ドリッパーの種類や特徴を理解して、是非自分にあったドリッパーを見つるようにしてください。