毎回同じようにドリップしているのに、いまいちコーヒーの味が安定しないということはありませんか?
ハンドドリップで淹れるコーヒーは、豆の挽き方や抽出速度などによってテイストが大きく変化します。
同じ挽き目の豆を使っても、1人分と2人分では抽出時間が違うため、少なからず風味が変わってしまいます。
とはいえ、数杯分のコーヒーを淹れる際に、1杯ずつ抽出するというのも現実的ではありません。
今回の記事では、豆の挽き目や抽出時間、さらにはお湯の温度がコーヒーのテイストにどのように影響するのかを解説します。
後半では、抽出量が変わっても安定的なテイストでドリップするための目安や秘訣も紹介します。
コーヒーの味が安定しないという方や、自分好みのテイストにならないというの方は、是非最後までご覧ください。
テイストを左右する4つの要素
コーヒーは、以下の4つの要素が互いに影響することで、酸味と苦味のバランスが変化します。
- 焙煎度
- 挽き目
- 抽出速度(時間)
- お湯の温度
酸味や苦味のバランスは、個人的な好みもあるので、何が正解ということはありません。
しかし、あまりにも偏りすぎると、コーヒー本来の味が損なわれるので注意が必要です。
そうならないためにも、それぞれが風味にどう影響するかをしっかり把握しておくことが大切です。
ここでは、それぞれのポイントを説明します。
焙煎度によるテイストの変化
一般的に、浅煎りの豆は酸味が強く、苦味は弱い傾向があります。
逆に、深煎りの豆は酸味が弱めで、苦味が強くなります。
中煎りの豆は、酸味と苦味のバランスがとれた味わいになるといわれています。
また、焙煎度は香りや口当たりにも影響します。
浅煎りの豆は、ハーブや果実のようなフルーティな香りが特徴で、口当たりは軽やかです。
一方、深煎りの豆はカカオのような香りが特徴で、口当たりは濃厚に感じられます。
焙煎(ロースト)は、コーヒーの味を左右する要といっても過言ではありません。
焙煎の種類や特徴など詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
挽き目によるテイストの変化
豆の挽き目も、コーヒーのテイストを左右する要素のひとつです。
一般的に、粗挽きの豆は酸味が出やすく、苦味は抑えられる傾向にあります。
逆に、細挽きの豆はコーヒー成分が抽出されやすいため、苦味が強くなり、酸味は弱くなります。
抽出速度(時間)によるテイストの変化
コーヒーの抽出速度もテイストに影響を与えます。
一般的に、抽出速度が速いとコーヒーは酸味が強くなり、フルーティーな味わいになります。
逆に、抽出速度が遅くなると苦味が強く、チョコレートやキャラメルのような風味になります。
これらは抽出時間にも比例しますが、時間をかけるほど豆から溶出されるコーヒー成分が多くなるということです。
お湯の温度によるテイストの変化
お湯の温度もコーヒーの味に影響を与えます。
一般的に、お湯の温度が高いほど苦味が増し、酸味が少なくなるといわれています。
逆に、お湯の温度が低い場合は酸味が増し、苦味が少なくなります。
これらの相関を理解しておくことが、テイストを安定させる第一歩となります。
コーヒー1杯分に最適な豆量
コーヒー1杯分に最適な豆の量は、豆の種類や焙煎度合い、抽出方法などによって異なりますが、一般的には10〜15g程度が推奨されています。
また、挽き目によっても、最適な豆量は異なります。
豆量が少なすぎると、コーヒーが薄くなり、豆量が多すぎるとコーヒーが濃くなります。
豆量が適切でない場合、抽出時間やお湯の量を調整する必要があるため、結果としてテイストにも影響をおよぼします。
豆量は、グラム数で測ることが一般的ですが、スプーンで計ることもできます。
スプーンで計る場合、コーヒースプーン1杯が約5g程度になるように設計されていますが、スプーンのサイズによって豆量に誤差が生じることがあるため、正確な測定にはスケールを使用するようにしましょう。
コーヒー器具の老舗ブランドHARIOのスケールは、薄型ながら豆量はもちろん、抽出量や抽出時間も計測できますのでとても便利です。
バランスのとれた味の目安
ここまで紹介した内容を踏まえ、よりバランスのとれたスタンダードなテイストに仕上げるための目安を以下にまとめてみました。
1人分 (150-180cc) | 2人分 (280-320cc) | 3人分 (400-450cc) | |
---|---|---|---|
豆量 | 10g〜15g | 18g〜26g | 25g〜35g |
抽出時間 | 2分程度 | 2分〜2分30秒程度 | 2分30秒〜3分程度 |
お湯の温度 | 80~95℃ | 80~95℃ | 80~95℃ |
毎回この目安を意識すれば、安定したテイストで抽出できるようになります。
浅煎りの豆を使用する場合は、お湯の温度を若干高めの90℃〜95℃にすると、酸味と苦味のバランスがとれて飲みやすいテイストになります。
一方、深煎りの豆なら、若干低めの80℃〜85℃にすることで、よりバランスがとれるようになります。
なお、1度に抽出する量は多くても3人分(450cc程度)までにしましょう。
それ以上の量を抽出すると、苦味が増し、雑味やえぐみの原因にもなりますので注意が必要です。
また、当然のことながら、豆の品質も味に大きな影響を与えます。
できるだけ新鮮な豆を使用し、高温多湿を避けるなど適切な保管を心がけるようにしてください。
ドリップコーヒーの詳しい淹れ方は、下記の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください
まとめ
今回は、ハンドドリップで淹れるコーヒーの味を安定させる秘訣を紹介しました。
頭では理解したつもりでも、思うような味にならないこともあるかも知れません。
バランスの取れたテイストで安定してコーヒーを淹れるには、知識もさることながら、より多くの経験を重ねることも大切です。
失敗から学ぶこともたくさんありますので、是非時間を見つけてチャレンジしてください。
好みのテイストでコーヒーを淹れれるようになれば、コーヒーライフがより楽しくなるでしょう。